波状言論 hajougenron index

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波状言論のサイト へようこそ。

波状言論は、かつて批評家の東浩紀が主宰していた自主出版・流通プロジェクトです。現在その試みは合同会社コンテクチュアズに引き継がれています。

東浩紀は、2000年に公式サイト「hirokiazuma.com」を開設し、一般書籍流通から離れたオルタナティブな批評活動を始めました。2003年にコミック・マーケットへの出店を始め、2004年にメールマガジン「波状言論」を配信、活動を拡大しました。波状言論の活動は自主出版が中心でしたが、その一部は商業出版でも書籍化されました。

波状言論創設の経緯、そこにいたる歩みなどは、波状言論の歩みのページを参照してください。

activities

altrenative publishing

波状言論 :2003-2005



『波状言論』は、東浩紀が責任編集となり、また発行人となって、2003年12月から2005年1月にかけて1年間の期間限定で発行されたメールマガジンです。現代思想、サブカル、オタク、情報社会論の境界を疾走するまったく新しい批評誌を目指し、期間限定で創刊されました。毎月ゲストを呼び、東浩紀がホストとなって送るインタビュー・対談を中心として構成されています。宮台真司、西尾維新、上遠野浩平、新海誠など、各界の最先端の才能に挑んだ編集は、批評家としての東浩紀の代表的な仕事であり、のちの『思想地図β』を準備したもpのと言えます。現在は、合同会社コンテクチュアズの通信販売で、全23号を収めたCD-ROMの通信販売・委託販売が行われています。

CD-ROM版(全23号+追加コンテンツ):2005年8月17日発行(コミック・マーケット68)。責任編集:東浩紀。装幀:笹井一個+マリちゃん。頒価4000円。

美少女ゲームの臨界点 :2004



『美少女ゲームの臨界点』は、2004年8月に、メールマガジン『波状言論』の臨時増刊号として発行された評論集です。東浩紀が責任編集となって、第一線で活躍しているクリエイターと評論家の方々を招き、『雫』から『Fate/stay night』『CLANNAD』まで、ノベル系美少女ゲームの8年間を総括し、その想像力の可能性と限界、そして『ファウスト』や『新現実』、にわかに盛り上がっているライトノベル・ブームとの関係を徹底的に議論しています。既存の言説に不満を感じていた美少女ゲームのヘビーユーザーから、萌えや秋葉原に関心はあるものの、エロゲーのプレイは躊躇している一般の方まで、幅広い読者層を想定しています。(現在絶版品切中)

2004年8月15日第1刷発行(コミック・マーケット66)。責任編集:東浩紀、執筆者:東浩紀、ササキバラ・ゴウ、佐藤心、更科修一郎、原田宇陀児、元長柾木、夜ノ杜零司、装画:新海誠。頒価2700円。

美少女ゲームの臨界点+1 :2004



『美少女ゲームの臨界点+1』は、2004年12月に、『美少女ゲームの臨界点』の続編として出版された評論集です。同じく東浩紀が責任編集となって、注目のブランド「Nitro+」へのロングインタビュー、美少女ゲームの震源地となった『ピュアガール』『カラフルピュアガール』の元編集長へのインタビュー、および「臨界点ゲーム10」と題した批評的ゲームレビューを収めています。『美少女ゲームの臨界点』を多角的に補う内容になっています。(現在絶版品切中)

2004年12月30日第1刷発行(コミック・マーケット67)。責任編集:東浩紀、執筆者:東浩紀、虚淵玄、加野瀬未友、ササキバラ・ゴウ、佐藤心、更科修一郎、でじたろう、前島賢、元長柾木、夜ノ杜零司、装画:和錆。頒価1200円。

「動物化するポストモダン」とその後 :2003



『「動物化するポストモダン」とその後』は、2003年8月に、hirokiazuma.com名義で発行されたDVD-ROMです。オタク系サブカルチャーと情報社会を主題とした講演・インタビューの記録が、5時間近く収録されています。『動物化するポストモダン』から、『網状言論F改』『自由を考える』を通って「情報自由論」にたどりつく過程がよく分かる内容です。映像は一般的なムービー(動画)ではなく、Macromedia Flashを利用したインタラクティブなシステム(メタ板書システム)によって整理されており、視聴者の利便性を高めています。注釈、関連資料なども多数収められています。

2003年8月17日発行(コミック・マーケット64)。著者:東浩紀、共著者:斎藤環、佐藤心、鈴木謙介、西島大介、装幀:マリちゃん。頒価3500円(現在合同会社コンテクチュアズの通信販売で2000円で発売中)。

情報自由論 :2002-2003/2005



「情報自由論」は、東浩紀が情報社会と自由の関係を主題として書き記した長い論考です。『中央公論』で2002年7月号から2003年10月号にかけて14回にわけて掲載されました。『動物化するポストモダン』と対をなして東浩紀の現代社会論の中核をなす仕事であり、「波状言論」や「ised」での発言の多くがこの論考を出発点にしています。単行本化が予定されていましたが、諸事情からウェブでの公開に切り替えました。すべての原稿が公開されています。

網状言論 :2000-2003



「網状言論」プロジェクトは波状言論の前身にあたります。「網状言論」は、2000年に、斎藤環著『戦闘美少女の精神分析』の出版を契機としたオンライン討議(『戦闘美少女の精神分析』をめぐる網状書評)で始まりました。モデレータは東浩紀、参加者は伊藤剛、斎藤環、竹熊健太郎、永山薫。2000年7月から10月にかけて行われ、討議はhirokiazuma.comで公開されました。この成果が、2001年9月のシンポジウム「網状言論F」に、そして2003年1月出版の『網状言論F改』へと繋がっていきます。

そのほか :2005-



そのほか、随時さまざまなファイルを公開しています。

commercial publishing

波状言論S改 :2005



『波状言論S改』は、2003年12月から2005年1月にかけて波状言論で発行したメールマガジン、『波状言論』(上記参照)の巻頭鼎談の一部が書籍化されたものです。サブタイトルは「社会学・メタゲーム・自由」。編著は東浩紀、共著者は大澤真幸、北田暁大、鈴木謙介、宮台真司。青土社。2005年12月発行。出版記念シンポジウム「ゼロ年代の批評の地平」は、2005年12月25日に紀伊國屋書店新宿本店ホールで行われました。参加者は東浩紀、北田暁大、斎藤環、山本一郎(切込隊長)。装幀は西島大介+ミルキイ・イソベ。

網状言論F改 :2003



『網状言論F改』は、2001年9月に行われたシンポジウム「網状言論F」(上記参照)を出発点とし、語りおろしの鼎談や論考を加えて書籍化されたものです。サブタイトルは「ポストモダン・オタク・セクシュアリティ」。編著は東浩紀、共著者は伊藤剛、小谷真理、斎藤環、竹熊健太郎、永山薫。青土社。2005年1月発行。出版記念シンポジウム「網状言論F RePure」は2003年2月15日にリブロ池袋店コミュニティ・カレッジで行われました。参加者は東浩紀、斎藤環、佐藤心、鈴木謙介、西島大介。このシンポジウムの模様は、DVD-ROM『「動物化するポストモダン」とその後』に収録されています。